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電験3種電力問題 H21年 問3

電力H21年
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問題

汽力発電所における、熱効率の向上を図る方法として、誤っているのはどれか?

(1) タービン入口の蒸気として、高温・高圧のものを採用する。

(2) 復水器の真空度を低くすることで蒸気はタービン内で十分に膨張して、タービンの羽根車に大きな回転力を与える。

(3) 節炭器を設置し、排ガスエネルギーを回収する。

(4) 高圧タービンから出た湿り飽和蒸気をボイラで再熱し、再び高圧の乾き飽和蒸気として低圧タービンに用いる。

(5) 高圧及び低圧のタービンから蒸気を一部取り出し、給水加熱器に導いて給水を加熱する。

基礎知識

これが蒸気タービンの全体の流れです。

少し複雑なので、水の流れで見てみましょう。

まず、復水器から、蒸気を冷却水(又は冷却装置)で冷やされた水から始めます。

復水器から出た水は、給水加熱器で温められます。

給水加熱器とは、高圧タービンや低圧タービンの中間段から一部取り出した(抽気した)蒸気で、給水を温める装置です。{(5)にある通り}

(今回は、給水ポンプの前に置きましたが、給水ポンプと節炭器の間にある場合もあります。)

給水加熱器で温められた水は、給水ポンプを通って節炭器に送られます。

節炭器は、排ガスで給水を予熱する装置です。

節炭器で予熱された水は、汽水ドラムに送られます。

汽水ドラムに送られた水は、蒸発管を通り蒸気になり、又汽水ドラムに戻されます。

汽水ドラムで、蒸気と水を分離し、蒸気だけを加熱器に送ります。

加熱器は、火炉内にあり、飽和蒸気をさらに加熱し、高温、高圧の乾き蒸気にする装置です。

加熱器を出た高温高圧蒸気は、高圧タービンに送られ、仕事(タービンを回す)をします。

高圧タービンを出た蒸気は、仕事をしたため、高温高圧ではなくなっているので、湿り蒸気となっています。

高圧タービンから出た湿り蒸気は、再熱器に送られます。

再熱器は、火炉内にあり、高圧タービンを出た湿り蒸気を再加熱し乾き蒸気に戻す装置です。

再熱器を出た蒸気は、低圧タービンに送られ、仕事をします。

低圧タービンで仕事をした蒸気は、復水器に戻されます。

復水器では、戻ってきた蒸気を冷却水(冷却装置)で水に戻しています。

これで一巡したことになります。

解答

誤りは、(2)です。

(1)タービン入口蒸気としては、エネルギーの多い、高温高圧の蒸気の方が良いのです。

だから、高圧タービン出口の蒸気は高圧タービンでエネルギーを使っているので、高温高圧の蒸気ではなくなっているのです。

そこで、再熱器を使って、高温高圧の蒸気に変えて、低圧タービンに送っているのです。

(2)復水器の真空度を低くすると蒸気が十分に膨張しません。

復水器は真空にするほど、蒸気の吸い込みが良くなります。熱効率が良くなります。

よって、復水器は真空度を高く保っておかなければなりません。

(3)節炭器は、基礎知識に出てきましたが、排ガスで給水を予熱する装置です。

問題文に書かれているように、排ガスの持っているエネルギーを少しでも回収するための装置と言えます。

(4)基礎知識の再熱器のところで説明しましたが、高温高圧の乾き蒸気が仕事をすると、エネルギーを放出して、低温低圧の湿り蒸気になります。

湿り蒸気は、水滴化することがあり、水滴はタービンの羽根を痛めてしまうことがあります。

よって、蒸気は高温高圧の乾き蒸気の状態を保ったままにしておきたいものです。

そこで、高圧タービンを出た湿り蒸気を再熱器に送り、再度エネルギーを補給して、渇き蒸気にしてから低圧タービンに送ります。

(5)高圧及び低圧タービンに使用している蒸気の一部を取り出すことを抽気と言います。

抽気した蒸気で給水を温める装置を給水加熱器と言います。

上の図では、復水器から給水ポンプの間で給水を温めていますが、給水ポンプから節炭器の間で温める場合もあります。

まとめ

この問題は、ボイラの熱効率を向上させる方法についての問題です。

ボイラの基礎項目であり、よく出てくる問題です。

水又は蒸気の流れとしては、基礎知識の項で書いた通りです。

この流れと、加熱器、再熱器、節炭器の役割を覚えておいてください。

この他にも、切り口を変えた問題もありますが、出てきたときに回します。

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