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電験3種電力問題 H21年 問2

電力H21年
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問題

タービン発電機の水素冷却方式について、空気冷却方式と比較した場合の記述として、誤っているのは次の内どれか?

(1) 水素は空気に比べ比重が小さいため、風損を減少することができる。

(2) 水素を封入して全閉形とするため、運転中の騒音が小さくなる。

(3) 水素は空気より発電機に使われている絶縁物に対して化学反応を起こしにくいため、絶縁物の劣化が減少する。

(4) 水素は空気に比べ比熱が小さいため、冷却効果が向上する。

(5) 水素の漏れを防ぐため、密封油装置を設けている。

必要な基礎知識

水素の性質として

1、密度(比重)が、空気の7%(密度は $0.0899g/l$ )

2、比熱が、空気の14倍

3、熱伝導率が、空気の7倍

4、不活性

5、コロナ発生電圧が高い

6、純度70%以下で爆発の可能性がある

等が挙げられます。

解答

誤っているのは(4)

(1)空気を1とした時の水素の比重は0.0696ぐらいで、およそ7%です。

密度が小さいと空気抵抗が減り、風損が減ります。

余談ですが、損失が減ると効率が上がります。

風損が減った分、効率が0.5~1%上昇します。

(2)水素は空気と混ざると爆発の可能性が出てきます。容積比で、水素が70%以下になると爆発の可能性があります。

そのため、水素純度を90~95%以上とするため発電機を全密閉しなければならないのです。

結果として、音も外に漏れなくなり、騒音が少なくなります。

(3)水素は不活性な物質です。

何をもって不活性と言うのかは私には分からないのですが、不活性だそうです。

不活性な物質と言うことは、他の物質と化学反応が起きにくいことです。

他の物質からすると変質しないと言うこと、当然劣化もしないと言うことです。

(4)水素の比熱は、空気の14倍も大きい値です。

比熱が大きい物質とは温まりにくく冷めにくい物質と言えます。

温まりにくいといことは、水素は空気に比べ、単位体積当たり多くの熱量を取り込めると言うことです。

だから、冷却効果が向上するとなります。

間違いは、水素の比熱は小さいではなく大きいのです。

(5)密封油装置とは、軸受等可動部と固定部の接触面より水素等が漏れ出さないように、接触面に油を加圧充満させて密封を保つための装置です。

水素冷却方式には、一般的に用いられている装置です。

解説

水素と空気を比べた時の特徴は

1、水素は空気に比べて、密度(比重)が小さい

2、水素は空気に比べて、比熱が大きい

3、水素は空気に比べて、熱伝導率が大きい

4、水素は空気に比べて、不活性である

5、水素は空気に比べて、コロナ発生電圧が高い

6、爆発の可能性がある

以上、基礎知識の項で書いたことです。

次に、この特徴から導き出される項目です。

(1)密度が小さいので、風損が減少します。

風損が減少すると、効率が上がります。

(2)(3)比熱が大きく熱伝導率が大きいので、冷却効率が上がります。

冷却効率が上がると、発電機を小さくする事ができます。

(4)(5)不活性でコロナ発生電圧が高いので、絶縁物の劣化が少なくなり、寿命が延びます。

(6)水素の純度が下がると爆発の可能性があるので、密封油装置等で密閉構造としなければならず、また爆発に耐える構造としなければなりません。

水素冷却装置については、これくらいを覚えておけば良いと思います。

まとめ

今回の問題は、比熱が小さいが間違いでした。

水素は、比重が小さいのは分かる人も多いと思います。

比重が小さいので、比熱も小さいと考えてしまう人もいると思います。

その勘違いしやすい点を突いた問題です。

電験の問題は、細かいところを突いた問題が多く出ます。

注意してください。

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