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電験3種理論問題 H21年 問6

理論H21年
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問題

抵抗値の異なる抵抗 $R_1$ と $R_2$ を図1のように直列に接続し、30〔V〕の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は6〔A〕であった。

次に、この抵抗 $R_1$ と $R_2$ を図2のように並列に接続し、30〔V〕の直流電圧を加えたところ、回路に流れる電流は25〔A〕であった。

このとき、抵抗 $R_1$ 、$R_2$ のうち小さい方の抵抗〔Ω〕の値として正しいのはどれか?

(1) 1  (2) 1.2  (3) 1.5  (4) 2  (5) 3

この問で必要な公式

公式① $I=\cfrac{V}{R}$ 〔A〕(オームの法則)

公式② 抵抗の直列接続 $R=R_1+R_2$

    抵抗の並列接続 $R=\cfrac{R_1\times\ R_2}{R_1+\ R_2}$

公式③ 解の公式 $ax^2+bx+c=0$ のとき

 $x =\cfrac {-b \pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$

解答

正解は、(4)

図1より、公式① $I=\cfrac{V}{R}$ 〔A〕を利用して

$6=\cfrac{30}{R_1+R_2}$  ・・・・①

図2より、公式① $I=\cfrac{V}{R}$ 〔A〕を利用して

$25=\cfrac{30}{\cfrac{R_1\times R_2}{R_1+R_2}}$ ・・・・②

①式より $(R_1+R_2)\times 6=30$

     $R_1+R_2=\cfrac{30}{6}=5$ ・・・・③

②式より $25=\cfrac{30\times(R_1+ R_2)}{R_1\times R_2}$ ・・・・④

④式に③式を代入して

     $25=\cfrac{30\times\ 5}{R_1\times R_2}$

     $25\times\ (R_1\times R_2)=150$

     $R_1\times\ R_2=\cfrac{150}{25}=6$ ・・・・⑤

③式より $R_2=5-R_1$ ・・・・⑥

⑤式に⑥式を代入して

     $R_1\times (5-R_1)=6$

     $-R_1^2+5R_1-6=0$

解の公式を利用して

$x =\cfrac {-5 \pm \sqrt{5^2-4\times (-1)\times (-6)}}{2\times (-1)}$

$x=\cfrac{-5 \pm \sqrt{25-24}}{-2}=\cfrac{5 \pm 1}{2}$

$x=3\ or\ 2$

$R_1=2$ ならば $R_2=3$ となり、$R_1=3$ ならば $R_2=2$ となります。

よって、小さい方の抵抗は、2Ω となります。

解説

公式①は、オームの法則です。

(「電流は、電圧に比例し、抵抗に反比例する」と、私は文章で覚えています。)

公式②は、抵抗の直列・並列接続の合成抵抗の式です。

以上は、電験を受験するならば、当然覚えているべき公式です。

説明を省略します。と、言いたいのですが、それでは身も蓋もないので。

公式②の抵抗について、少し書いておきます。

抵抗は、$R=\rho\cfrac{l}{S}$ と表すことができます。

$\rho$ は抵抗率で、単位は〔Ω・m〕です。

$l$ は抵抗の長さで単位は〔m〕、$S$ は抵抗体の面積で単位は〔m²〕です。

並列接続では、面積が足されることになります。

上の図から、そのようにイメージしてください。

式で表すと、

$\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}$

$=\cfrac{S_1}{\rho\ l}+\cfrac{S_2}{\rho\ l}=\cfrac{S_1+S_2}{\rho\ l}$

となります。

抵抗が2つの並列接続の場合は、$R=\cfrac{R_1\times\ R_2}{R_1+\ R_2}$ で計算できます。

抵抗が3つ以上の並列接続の場合は、$\cfrac{1}{R}=\cfrac{1}{R_1}+\cfrac{1}{R_2}+\cfrac{1}{R_3}$ で計算しましょう。

抵抗の直列接続の場合は、長さが足されることになります。

これも、上の図からそのようにイメージしてください。

式で表すと、

$R=R_1+R_2$

$=\rho\ \cfrac{l_1}{S}+\rho\ \cfrac{l_2}{S}=\rho\ \cfrac{l_1+l_2}{S}$

となります。

何となく、簡単なものを複雑に説明している気がしますが、

$R=\rho\cfrac{l}{S}$ は、どこかで覚えないといけない公式ですから、ご勘弁を。

また、高校の時に習った「解の公式」ですが、たまに出てくるので確認しておいてください。

今回の場合は、$-R_1^2+5R_1-6=0$ に $-1$ を掛けて、

$R_1^2-5R_1+6=0$ として、因数分解すれば、

$(R_1-3)(R_1-2)=0$ となります。

実際の試験の時は、因数分解が早いと思えば因数分解で、

因数分解を思い付かないときは、「解の公式」で解いてください。

まとめ

この問題は、サービス問題ですね。

計算間違いで、せっかくのサービス問題を落とさないようにしましょう。

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